環境省、そんなに急いでどこへ行く?2008年12月19日

環境大臣にコピー用紙のグリーン購入法・基準の見直し案の撤回を求めます。

今こそ、基準を維持することで、古紙利用の信頼回復が必要です。

-古紙配合率基準緩和で、生物多様性、温暖化問題に悪影響-

古紙問題市民行動ネットワーク(古紙ネット)、ナマケモノ倶楽部、日本消費者連盟(日消連)、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)、レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)日本代表部

 現在、パブリックコメント募集を行っているコピー用紙のグリーン購入法基準の改定では、古紙配合率は100%から70%まで引き下げ可能となります。総合評価方式による得点でも、「古紙100%」と「古紙70%・バージンパルプ30%」の総合評価は同等です。現時点での古紙配合比率のこのような基準引き下げは、2007年来流布され、現在も根強くある「古紙高配合再生紙よりバージンパルプの方が環境負荷が低い」という誤った情報を追認し、古紙偽装による再生紙への不信感を固定化し、紙のリサイクルに対する信頼自体を損ないかねません。

 今回のように不十分な議論のうちに拙速な改定を行うことは、前述したような誤解と混乱を生むことにつながります。むしろ、今こそコピー用紙の「古紙100%再生紙」という基準を維持し、消費者の古紙への信頼を回復・確保しつつ、製紙メーカーの古紙需要の増加を促すべきです。

 さらに、問題なのは30%まで利用可能なバージンパルプの基準です。「森林認証材」、「間伐材」、「持続可能性を目指した原料の調達方針に基づいて使用するパルプ」が利用可能となっていますが、「森林認証材」にはPEFC/AFSなど絶滅危惧種の生息地や原生林も伐採可能で生物多様性を脅かすと共に、皆伐後の山焼きで温暖化ガスを大量排出(196トン/ha)するものが含まれています。このために、例えば、タスマニア天然林木材チップが30%利用されると、古紙100%製品と比較して、約44%程度の排出量増加と推計できます。注1

このように「認証材」ですら信頼できるものではないのに、「持続可能性を目指した原料の調達方針に基づいて使用するパルプ」はさらに曖昧です。誰がどこでチェックして確認するのでしょうか。どうとでも都合よく解釈できる「基準」は基準とはとても言えません。

 一方、「間伐材」の利用については推進すべきですが、コピー用紙以外の印刷情報用紙ではすでに利用可能ですし、コピー用紙よりも、CO2排出抑制と有効利用・需要拡大のためには、まず、製材、合板、集成材、単板積層材、フローリング、コンクリート型枠等といった木材分野でのグリーン購入法基準強化が有効と考えます。

 古紙が「環境に良いわけではない」という主張の論拠は、「バイオマスエネルギーの黒液はカーボンニュートラルなので考慮しない」ことが理由でした。しかし、これは暴論であり、UNFCCC(気候変動枠組条約)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)によれば、木質系バイオマスもCO2排出として計上することになっているので、本来、黒液もカウントすべきですから、30%のバージンパルプ利用により、製造段階だけで、約5%のCO2排出増になります。注2

 また、偽装理由に技術的困難さを主張していた企業ですら、すでに古紙100%再生紙を製造していて、現時点でのコピー用紙の供給量は少なくとも年間6万トンを越えており、政府機関の需要量を十分に賄えます。グリーン購入法の基準は国全体の動向を牽引するものであり、同時に一般市民のグリーン購入意識をも牽引するものです。市民・消費者にとってわかりやすく納得のいく現行基準を変更すべきではありません。

 そもそも、こうした古紙配合率基準の引き下げへの動きは、昨年の製紙会社などによる古紙高配合率再生紙の方がバージンパルプより「環境負荷が高い」といった誤った主張に端を発し、昨年末には、環境省からコピー用紙・印刷情報用紙一律古紙配合率30%の引き下げ(印刷情報用紙では古紙配合率40%が可能)改正案が提案されました。しかし、古紙偽装の発覚により、製紙会社による古紙偽装隠しとも取れる動きであることが判明し、改正案は一旦凍結され、供給量は確保されるとして現行基準がなんとか維持されたのです。その矢先でのこうした改定の動きには納得ができません。

従って、私たちは以下のことを要求します。

  • 古紙の信頼回復が行われていない現状での拙速な基準改定は凍結し、まずは信頼回復に力を注いでください。コピー用紙の現行基準を変えないでください。
  • 今回示された基準改定についての議論が尽くされていないばかりか、グリーン購入法の目的である「環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築」という方向性に逆行してはいないでしょうか。温暖化影響のみならず、生物多様性や資源有効利用の観点からの科学的論拠に基いた慎重な議論を求めます。
  • 今後のグリーン購入法の改訂論議については、コピー用紙のみではなく、紙利用全体について、NGOも含めた幅広い関係者も加え、十分な議論を行う形で抜本的・総合的検討を実施されることを要望します。

注1 政府機関の年間コピー用紙需要量6万トンとして、パルプ配合率30%のチップ需要は32,400トンなので、タスマニアでの平均収量186トン/haから、伐採面積は174haとなるので、196トン/haの炭素排出量なので、炭素排出量は約34,179トンだが、木材チップは総採取製品の8割に達するので、0.8を掛けて、27,343トン。一方、木材チップ内の炭素含有量は、約25%と想定できるので、8100トン。よって、利用される木材チップの炭素量に対して、3.38倍の炭素排出が伐採地で発生します。利用エネルギーの33%程度が黒液とされるので、タスマニアの天然林由来のバージンパルプ30%生産による炭素排出のうち約10%程度が木材チップによる炭素量なので、10×3.38=33.8が山焼きによる排出分です。注2より、古紙70%とタスマニア天然林パルプ30%利用の排出量推計値は90.2なので、(90.2+33.8)÷86=1.4418 となります。

注2 日本製紙による推計値によれば、バージンパルプ100%の二酸化炭素排出量を100とした場合、古紙100%再生紙では86です。http://www.np-g.com/news/news07042401.htmlこの86の30%部分(86×0.3=25.8)がバージンパルプに代わるので、概ね86-25.8+30=90.2で、これが古紙70%とバージンパルプ30%の排出比なので、90.2÷86=1.0488より、4.9%の排出増加です。黒液などの木材チップから得られる木質系バイオマスをカウントしないと一般的に言われるのは、UNFCCCやIPCCでは伐採時点で排出計上するのでダブルカウントとなるからです。よって、UNFCCCでは木質系バイオマス由来のCO2はカウントするので、黒液などの非化石燃料由来のCO2がカーボンニュートラルの考えに基いてカウントしないというのは誤りです。また、間伐材については、立木の約40%程度行われる間伐によって残った立木の成長促進に貢献することで、最終的には間伐しないケースよりも総蓄積量は多くなるものの、その純増分は、約20%以下に留まるとの報告も行われています。http://ss.ffpri.affrc.go.jp/labs/kouho/seika/2004-seika/p26-27.pdf

エコ偽装問題 NGO・NPO共同プレスリリース    2008年1月23日

環境大臣にグリーン購入法・基準の見直し案の撤回を求めます。
エコ偽装の徹底的真相究明とその上での基準の抜本的・総合的検討が必要です

-古紙配合率のみならず、フレッシュ(バージン)パルプでも「エコ偽装」の疑惑が-

   1月8日夜、TBS「NEWS23」で内部告発と実証実験による「日本製紙の古紙配合率40%の再生紙・年賀はがきが、実際の配合率はわずか1%」というスクープが、製紙業界全体の再生紙偽装が露呈する始まりでした。16日には、再生紙・年賀はがきの偽装を王子、大王、三菱、北越の4社も行っていたことが明らかになり、日本製紙は、印刷用紙や情報用紙等多種類にわたって高い古紙配合率を偽装していたことを報告、社長の引責辞任を発表しました。続き18日には、王子、三菱、大王、北越各社があいついで年賀はがき以外の紙製品でも古紙配合率偽装があった事実を発表し、製紙業界において古紙配合率偽装が常態化していたことが明らかになりました。
 日本製紙をはじめとした製紙業界の古紙配合率偽装は、製品から配合率を測定するすべがない私たち消費者やユーザーの信頼を完全に裏切る詐欺行為です。16日に発表された日本製紙の「弊社製品に関する社内調査結果について」を読んでも、継続的な契約違反、「グリーン購入法は努力目標だった」という法令無視、さらに違法状態を隠蔽したまま、グリーン購入法の基準を引き下げて合法化せんと主導した一連の動きは、企業として非常に悪質と言わねばなりません。今後、他社ともども偽装の事実をきちんと解明した上で、公的な処分を求めるものです。

   また、日本製紙の「エコ偽装」は古紙配合率のみならず、フレッシュパルプでも疑惑が持たれています。日本製紙はホームページ上で「原生林保護」「原生林ではないチップによる紙」をうたっています。その根拠として一部顧客企業に「タスマニアにおいては保護価値の高い原生林は既に保護されておりチップの原料となることはあり得ません」と説明していましたが、当時の豪州政府担当大臣も、書簡で「オールドグロス林の伐採が年間2500ha行われている」ことを認め、「RANの調査レポート」(※1)で示された豪州政府及び業界関係資料でも、日本製紙が購入を継続しているタスマニアの天然林木材チップ(豪州林業規格:AFS認証材)には、オールドグロス林や原生林の木材チップが多数含まれていることが示されており、絶滅危惧種動物への重大な影響も指摘されています。ある日本製紙顧客企業の用紙調達方針の規定には、保護価値の高い森林(1.オールドグロス林、2.原生林、3.絶滅危惧種の生物が生息する自然林)の保護が定められていることから、こうした規定遵守違反にあたる可能性もあります。(※2)

   グリーン購入法の改定案では、30%引下げの代替に「環境に配慮した原料」も利用可能としていますが、その基準が低水準であいまいなため、危うく、これらタスマニアの天然木材チップなどの環境破壊的に生産された原料すらも、合法的に利用可能になるところでした。

      従って、私たちは以下のことを要求します。
    (1)日本製紙や日本製紙連合会が昨年6月に提案した内容を踏まえて環境省が昨年11月に出した基準の改正案は、検討の延期ではなく、即時取り下げて白紙に戻してください。
    (2)新聞報道によれば、環境省は「グリーン購入法に基づく古紙配合比率の検証手段や表示方法など、同法の問題点を洗い出すため月内に調達品目検討会を臨時開催し、作業を始める」とありますが、その検討委員会を公開とし、現検討委員だけでなく、NGOも含めた幅広い関係者も加えることを要望します。
    (3)偽装の事実を徹底的に解明した後に、幅広い立場の関係者をそろえ、抜本的で総合的な視点からグリーン購入法の基準を見直すことを求めます。

※ 1.「RANの調査レポート」とは、国際的NGO「レインフォレスト・アクション・ネットワーク」の調査レポート『誰がタスマニアの森を切っているの?買っているの?タスマニア森林破壊と日本紙業界の隠された真実』のこと。
※ 2.タスマニアで伐採された木材の約9割(数量ベース)が木材チップ。豪州企業のガンズ社(Gunns Ltd.)が2006年に生産した木材チップ約350万トン(この内の約8割が日本向け輸出と想定され、天然林木材チップ供給業者として最大規模)に対して、日本製紙株式会社は140万トン購入(2006年計画値)する最大の購入企業。ガンズ社の木材チップ購入量の第二位は王子製紙で、日本製紙同様、ガンズ社の天然林木材チップを購入。他に天然林木材チップを購入しているのは中越パルプ工業。大王製紙、三菱製紙はガンズ社から植林木を購入している。北越製紙はタスマニアから木材チップは購入していない。
 
提出団体:
   古紙問題市民行動ネットワーク 
   日本消費者連盟
  ナマケモノ倶楽部
   熱帯林行動ネットワーク
  レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)日本代表部

Tasmania Report

PRESS RELEASE

日本製紙、王子製紙、中越パルプの製品に原生林チップ混入。顧客企業へ誤った木材出所情報を日本製紙が提供。

 原生林は購入していないと日本製紙は確約しているにもかかわらず、豪州タスマニアの原生林木材チップを購入していることを米国環境団体レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)が今日発表した報告書は示している。このRANの報告書『誰がタスマニアの森を切っているの?買っているの?タスマニア森林破壊と日本紙業界の隠された真実~ランキングレポート』では、問題企業とされる豪州の巨大木材会社「ガンズ社」から、大量の木材チップを購入することにより、生態的に特異なタスマニアの森の急速な破壊に対して、日本の紙業界がどのように加担しているのかを詳細に述べている。

 レポートにより、タスマニア州有林で生産されるパルプ用材(木材チップの原料)の71%が原生林を含む森林から供給されていたことが明らかになった。その木材の多くは、日本製紙、王子製紙、中越パルプ工業の3社によって購入されており、全体でガンズ社製木材チップの日本での販売量の70%に達する。ガンズ社製木材チップの約80%は日本に輸出され、紙製品に加工されている。また、このレポートではタスマニア産木材チップを購入する日本の製紙企業とその顧客企業を特定し、この問題に取り組む姿勢によってランク付けしている。

「キヤノンやシャープのような企業は、タスマニアの太古の森の状況を改善しようと動こうとしている。日本製紙、王子製紙や他の企業はその逆。もしも、これらの企業が、事実を確認して、ガンズ社がタスマニアの原生林や保護価値の高い森林からの木材供給を本当に停止することを確保できれば、この悲劇的な問題を解決へと進めるための大きな一歩となります。」と共著者RAN日本代表部の川上。

2つの製紙企業、三菱製紙と大王製紙は、すでにガンズ社にこうした要請を行って、現在、タスマニアから植林木のみを購入している。その問題のある伐採事業のために、アジアパルプアンドペーパー(APP)社を含め、他の会社の中にはガンズ社とは取引しないものもある。

 6月上旬、タスマニアの森林破壊と日本企業の購入決定との関係について、一般の人々に広く知ってもらうため、RANは多くの参加者を集めて、東京での3つのフォーラムを主催した。この問題のエキスパートとして参加した一流の生態学科学者ピーター・マクィランさん、豪州NGOリーダーたちや、タスマニア緑の党リーダーのペグ・パットさんらは「タスマニアでは全ての原生林が伐採から保護されている」とか、「ガンズ社の伐採がFSC(森林管理協議会)管理材規格基準(FSC controlled wood standard)を満たしている」といった日本製紙による主張を明確に否定した。日本製紙が顧客企業に木材チップの出所情報についての間違った確約を行っているのは豪州政府担当者やガンズ社からの私信に基いていると伝えられている。

「豪州政府は少なくとも年間2,500haの原生林がタスマニアでは伐採されていると公表している。タスマニアの原生林は保護されているというような主張は明らかに真実ではない。」と豪州緑の党リーダーの上院議員ボブ・ブラウン氏は述べている。

 豪州側政府による虚偽情報の最近の例がある。ガンズ社への州有材供給者であるタスマニア林業公社は5月に日刊木材新聞社の取材に対して「タスマニア林業公社が管理する『天然林』は、ほぼ『リグロウス:再生林』である」と答えた。このため同新聞では州有林が「植林」と「リグロウス」のみで構成された間違ったデータを掲載してしまっている。

 タスマニアの森林を守ろうという世界的な抗議にもかかわらず、ガンズ社はタスマニアのユニークな太古の温帯雨林を年間ほぼ1万5千haのスピードで一面の木々を全て伐採(皆伐)し続けている。その皆伐跡地に火炎弾を投下し、毒物1080(テン・エイティー)により数十万の野生動物の「駆除」を行っている。2006年12月に、タスマニア南東部のウィランタの森でのガンズ社の伐採事業が、絶滅危惧種に危害を加えていることが確認され、豪州連邦裁判所によって違法であると判断された。タスマニア州知事ポール・レノン氏によれば、この判決はガンズ社によるタスマニアでのほぼ全ての伐採事業に適用される。今週、国連は世界遺産の森林地域への伐採による脅威を評価するために上級レベルの代表団をタスマニアに派遣するとの発表があった。

音楽評論家・作詞家 湯川れい子さんは「タスマニアで、現地の広大で豊かな天然林も見学しました。とても恵まれている場所だと思っていた、あのタスマニアの森林が伐採され、これほど天然林木材チップを日本に輸入していると知って、ショックです。何に、どういう木材が使われているかを真剣に考え、みんなにSOSを呼びかけていくこと。私たちみんなが、グローバルに手を携えて、この問題に立ち向かっていくことが必要です。」と語っている。

NGO「ナマケモノ倶楽部」世話人、明治学院大学教授 辻信一さんは「タスマニアの原生林は、かけがえのない地球の宝物。その巨木を切り倒し、ウッドチップ化し、さらにティッシュにして使い捨てるというのは「テロ」です。このテロに加担するのをぼくは拒否します。」とコメントしている。

RANの報告書は、日本の紙業界企業が、タスマニアの原生林破壊の支援を停止するために、以下のような3つの原則が不可欠であると提案している。

・保護価値の高い森林や原生林に由来する原料を購入しないように、紙関連の調達方針を確立し、実施する。
・そうした調達方針を実施するために供給業者の協力を要請する。
・第三者認証制度としては、森林管理協議会(FSC)を優先採用する。

 このレポート全体や、タスマニアの森林に関する写真をダウンロードするには、www.treesnotgunns.org/jp を参照ください。

 6月上旬に東京で開催されたフォーラムについては、JANJANに記事が掲載されておりますので、ご覧ください。

 
 

ABC Tasmania June 26, 2007

国連がタスマニア伐採調査を指示。

UN orders Tasmania logging probe

国連は世界遺産登録の森林に対する伐採による危険状況を査定するために、タスマニアに上級レベル代表団を派遣することを決定した。
ニュージーランド、クライストチャーチでの国連世界遺産委員会の今日の会合で、21カ国がこの決定に賛成する表決を行った。
ウィルダネス・ソサイエティのスポークスマン、アレック・マー氏は、これはタスマニアでの世界遺産の縁部分での伐採は、原生林への脅威であることの認識だと言う。
「ここから見えてくるのは、タスマニアで加速している原生林伐採についての国際的懸念のレベルが大きくなっているということです。伐採が継続しているのに、豪州政府が一方で新たな嘘のパックを単に書いている間、国際社会はもやは我慢できないでしょう。」と彼は述べている。

 この記事のABCの英文サイトでは、ABCによる音声報告も聞けます。今回、タスマニアから招いた専門家のウィルダネス・ソサイエティのジェフ・ロー氏も出演。

 

Mercury June 27, 2007

国連が私たちの太古の森について懸念

タスマニアの新聞 Mercuryの記事, チーフレポータ、SUE NEALES

UN fear for our ancient forests

June 27, 2007

タスマニアの世界遺産登録の森林への責任を果たしていないとして国連でオーストラリアが非難される。

国連世界遺産委員会のニュージーランドでの昨日の会合で、タスマニアの南東部と北での森林を査察する緊急の代表団を派遣することを決定した。

クライストチャーチでの会合は、南東部のスティックス、ウェルド、アッパーフロレンタイン渓谷と、デロレイン近くの大西部ティアーズ沿いの地域での、世界遺産の森林に隣接する場所での皆伐、火炎弾による再生焼きについて懸念を示した。

この6ヶ月間内に、これらの森林を査察することになる当委員会が、裕福な先進国の世界遺産地域での、このような管理上の懸念を表明することは、まれなことだ。

多くの場合、国連の行動が指示されなければならないような、このように危機にある世界遺産は貧しい国や途上国だ。

豪州の緑の党リーダーのボブ・ブラウン氏は、タスマニアの原生林を救出する世界遺産のミッションの開始は、国際的にオーストラリアの顔をつぶすものだと評した。

保護林管理の失敗が世界遺産規準を違反することになるとして、豪州連邦政府が警告を受けたのだと彼は述べた。

連邦環境大臣のマルコム・ターンバルは、昨夜、この動きを知っていたが、コメントを控えた。

世界遺産地域の不十分な保護について、オーストラリアが指令を出された前例は、ウラニウム鉱山尾鉱から水路に漏れ出した被害に見舞われる恐れに直面した北部特別地域のカカドゥー国立公園の査察を同委員会が命じたときだった。

「これはタスマニア原生林にとって、突破口です。これによって、原生林に損害を与え、適切に管理していない人々を世界の人々に知らしめることになるのです。連邦政府は、今こそ直ちに、タスマニア州政府に、世界遺産周辺地域目前での全ての伐採を禁止するように、その権限を使わなければならない。少なくとも世界遺産ミッションが現在の損害を査察するまでの間は。」とブラウン上院議員は述べた。

委員会は、自然的、文化的な完全性を失わせるようなお粗末な管理がなされている場所からは世界遺産のステイタスを剥奪する権限、あるいは、それらをより保護するために世界遺産地域の拡大を勧告する権限を持っている。

この国連の会合は特に、制御不能な林業による火災から、南西部原生地域を保護するために置かれているバッファーゾーンが不十分であることに愕然としていた。 

会合では、なぜ、伐採道路が、世界遺産地域の境界線の周辺で、ブルドーザで整地されているのか、なぜ、このように繊細な保護地域に隣接する太古の天然林が短時間の間に、皆伐されてしまうのかを議論した。

ブラウン上院議員は、世界遺産地域に隣接する地域を故意に伐採しているのは、その価値を破壊することを意図するものだと考えている。

Mercury Dec 20, 2006

レノン知事、判決に警告

(マーキュリー 2006年12月20日 PHILIPPA DUNCAN報道記事) 

 ポール・レノン知事は、ウィランタの州有林での絶滅危惧種を保護する連邦裁判所の決定が、州全体の林業や農業を制約し得ると警告している。レノン氏は、今日、ジョン・ハワード首相に、地域森林協定を保護する法律に、緊急の修正を求める書簡を送ります。彼は、この判断は、タスマニア林業公社の長期の木材供給契約を満たす能力や州全体の経済に脅威を与えるものだとした。レノン氏は、この決定は、タスマニア1万世帯以上を支えている木材業界内の大規模な混乱を招く可能性を引き起こす可能性があると述べた。

シェーン・マーシャル判事は、今日、タスマニア林業公社に、ウィランタの森での商業伐採を停止と緑の党のボブ・ブラウン上院議員への50万ドルの訴訟費用を支払いを命じた。彼は、その企業がオーフォード近郊の森を違法に伐採し、追加的な伐採が、タスマニアのオナガイヌワシ、オトメインコ、広歯クワガタに重大な影響を与えていることを発見した。

法律専門家は、レノン氏に、タスマニア全体に、そのワシの生息地は広がっているので、この決定の効果は、「ウィランタを越えていく」だろうとアドバイスを行っています。

決定によれば、そのワシの生息地での活動は、保護を行うだけでなく、生存の可能性を高めることを求めているとレノン氏は述べている。彼は、タスマニア全体に約500個のワシの巣が散らばっていると述べた。

ブラウン上院議員は、どのような法律整備も「種の絶滅を進め、加速」するだろうと述べた。「もしも選挙の年に、それを行うのであれば、危険を覚悟して行うのでしょう」と彼は述べた。

タスマニア林業公社や州政府、連邦政府は、2月9日までに、この決定に上訴しなければならない。

 2006年末、オーストラリア連邦裁判所で、絶滅危惧種が保護されていないとして、ウィランタでの伐採事業に差し止め判決。

  タスマニアのウィーランタ(Wielangta)地域の州有林での伐採が絶滅危惧種に関して重大な影響を与えているとして、環境保護と生物多様性保全法(EPBC1999)475条に基づく違法行為に対する差し止め命令を求めた裁判について、2006年12月19日、連邦裁判所が判決を下した。

 判決では、絶滅危惧種に対する保護が行えていないことから、ウィーランタでのタスマニア林業公社の伐採業務は、RFAに従っておらず、そのために、EPBCの適用除外は認められず、EPBC違反と判断された。

 この連邦裁判所での判決に基づけば、「ウィーランタ地域のみならず、希少種や絶滅危惧種の生息地が破壊されているオーストラリアの他の全ての地域での伐採が違法となる」(原告ボブ・ブラウン上院議員のウェブサイトより)と指摘されている。また、今回対象となった絶滅危惧種は、オトメインコ(swift parrot)、オナガイヌワシ(wedge-tailed eagle)、広歯クワガタ(broad-toothed stag beetle)の3種だが、タスマニア州のポールレノン州知事が、以下のABCの報道記事で、「オナガイヌワシを見てみよう。そうした状況がウィーランタにあるのであれば、それは、タスマニア中の多くの地域にも存在しているだろう」との見解を示されているように、特に、オナガイヌワシについては、タスマニア全域に生息することから、多くの地域での伐採が違法とも考えられる状況にある。さらに、これら3種以外にも、タスマニア・デビル、オオフクロネコなどEPBC登録種が林業業務から重大な影響を受けている可能性もある。

詳細は、判決文を参照。

裁判所がタスマニアの伐採会社の業務禁止を命令
(オーストラリア放送 2006年12月20日報道記事)

森林に関する判決、絶滅危惧種を保護
(シドニー・ヘラルド・トリビューン 2006年12月20日報道記事)