ガンズ社は、塩素漂白を行う「パルプ・フィクション(虚構のパルプ)」工場を設置すると提案しています。この工場は原生林・老生林の森林破壊を急速に進めてしまうばかりでなく、大気汚染と地元の海洋汚染も引き起こします。新たなパルプ工場設置のこの提案は、同社が州民に対して行った「塩素漂白をしないパルプ工場」という公約を明らかに破っています。また「世界一環境配慮したグリーンなパルプ工場」を建設するという同社の別の公約にも違反しています。同社が発表していた公約が、州民を欺く単なる「プロパガンダ」であったことが分かります。

パルプ・フィクション (虚構のパルプ工場)

公約違反をした同社は、ベル湾に面した場所に、以下のようなパルプ工場を提案しています。この工場の技術は時代遅れで、環境に与える負荷も大きいものです。

  • この工場は、塩素を使わない(TCF)とはなりません。漂白過程で二酸化塩素を用い、天然林木材チップを使うとしています。
  • 工場廃液には「残留性有機汚染物質(POPs)」が含まれており、非常に攪拌時間が少ない状態で、バス海峡に流れ込みます。バス海峡には多様で繊細な海洋環境が広がっています。海綿動物や、大きなコンブの群生。ペンギンとアザラシの棲息地帯に悪影響が出ることが懸念されています。
  • パルプ工場の廃液は、海洋生物と生物多様性にとって、甚だしい弊害を及ぼすものです。漁業に与える影響も心配されています。パルプ工場からの排水口は、素晴らしい生物多様性を成す「ロー・ヘッド・海綿庭園」から、わずか数キロの場所になります。

森林への影響

ガンズ社によれば、このパルプ工場は今後30年間に渡り、天然の老生林、原生林からのチップを必要とすると言っています。

同社の提案通りパルプ工場が承認されることになれば、北東タスマニアの森林の生物多様性は甚だしい影響を受けることになります。オナガイヌワシオオフクロネコに対して大きな影響が出るものと心配されています。原生林・老生林や成熟林を含む天然林の利用をパルプ工場が行うということは、さらに多くのリグニンを化学処理し、漂白過程で塩素を使用するということを意味します。Tarmar)地区と地元の‘集水域’は、現状ですら水不足の問題を抱えています。水の利用制限は、これまでよりも頻繁に起きています。ガンズ社の提案しているパルプ工場のように閉鎖循環しない工場が作られれば、大量の水を消費することになり、タスマニア北東部の集水域にとっては大きな圧迫要因となります。

パルプ工場から大気中へガスが放出されることによって、周辺コミュニティの住人の健康面や生計面に影響が出ることが懸念されています。

タマール(Tarmar)地区と地元の‘集水域’は、現状ですら水不足の問題を抱えています。水の利用制限は、これまでよりも頻繁に起きています。ガンズ社の提案しているパルプ工場のように閉鎖循環しない工場が作られれば、大量の水を消費することになり、タスマニア北東部の集水域にとっては大きな圧迫要因となります。

ウィリアム・マニング氏の内部告発証言(豪州上院2003年10月)

以下の文章の原文はこちらです。

ウィリアム・マニング氏の証言の抜粋です。

 「地域森林協定と2020ヴィジョンが開始されて以降、特にこの5年で、タスマニアの森林管理、特に、州有林の管理がゾッとするほど悪化していくのを見てきました。これは、森林施業審議会と森林施業諮問会議の代表者を完全に支配することによって、森林業界の林業専門家によって進められてきたのです。このように規制団体を支配されることによって、森林施業審議会は、結局、業界や政府に利用される単なる自動承認機関となってしまい、また、このとんでもない森林施業を擁護する代弁者として二重に悪用されています。

 特に、この5年以上に亘り、森林業界は、その施業に酷く無関心だったので、他のタスマニア住民が従わなければならない法規で判断すれば、完全にタスマニア州法違反となってしまうという単純な理由のために、他の全ての環境、計画、土地管理に関する州法から適用除外とせざるを得ないのです。林業業界での私の様々な経験によれば、地域森林協定と2020ビジョンの実施は、まず第一に、森林施業行動規範(Forest Practice Code)が世界最高の施業であるという嘘の主張をすることによって、森林施業行動規範を弱体化させることとなってしまっています。第二に、この弱体化された森林施業行動規範を実施することなく、外来種の樹種の植林地造成のために天然林を皆伐する以外の林業上の成果がないように、タスマニアでの森林管理が腐敗してしまった。第三に、タスマニア州議会を惑わす内部監査システムの開発をRFAや2020ビジョンがコントロールすることになった。第四に、タスマニアでの絶滅危惧種の生息地の破壊、他の多くの希少なタスマニアの植物、動物の事例は言うに及ばず、特に、ジャイアント淡水ザリガニや他のザリガニ類の生息地の破壊を引き起こしています。最後に、タスマニア林業界内での、いじめ、縁故主義、秘密主義、虚偽の文化を生み出した。

 私は、2つの植林地の詳細な分析によって結論を述べる前に、上記の点を、これから詳細に述べていきたいと思います。この植林伐採地の1つはMurchisonの州有林のOonahの2期目の松の植林地、もう一つはBassの州有林のユーカリ植林です。双方の地域ともに州が所有している政府事業体であるタスマニア林業公社(Forestry Tasmania)による自己規制と言う口実の下で管理されています。

 タスマニア林業公社と森林業界は、森林施業行動規範は世界最高の施業であると主張しています。この行動規範と、これが監視するという自己規制の業界は世界最高の施業に基いて運営されているという主張は真実ではなく、極端に言えば虚偽である。森林施業法は、1985年に導入され、1987年、最初の森林施業行動規範が続きました。この法律と行動規範はともに産業界に雇われている林業人によって作り出されたのです。森林施業行動規範は、業界の最低限の規準として導入され、次のように述べています。
 科学的アセスメントにより、継続的見直しと改善を行うように作られています。

 それどころか、森林施業審議会や森林施業諮問会議への木材チップ業界の林業人の影響力と支配によって、科学は大きく無視されています。最高の施業の弱体化は、事実上存在しないと表せるほどに効力のない業界の自己規制システムにより、さらに悪化しています。これは、森林施業規準が事実上著しく後退し、業界において規制が事実上急落しているということを意味しています。」