レインフォレスト・アクション・ネットワークでは、2009年より、インドネシア森林保護キャンペーンを開始し、APP社やAPRIL社が現地で引き起こしている問題の解決のために活動を行っています。日本代表部でも、活動を行っており、RAN日本代表部の新しいウェブサイトを立ち上げました。ご覧ください。
RAN日本代表部の新しいウェブサイト
ガンズ社は天然林利用を停止 Victory!
ガンズ社は、2010年9月に天然林から植林木へと原料供給をシフトすることを発表していたが、2011年6月には、豪州タスマニアの木材チップ会社であるガンズ社は、天然林からの木材利用を停止した。今後は、すでに伐採され貯蔵されている木材以外は、全て植林木へと切り替わることとなる。長らく豪州の環境問題として大きな課題となっていたタスマニアの森林保護に大きな節目が訪れ、州政府と連邦政府の間でも保護拡大への合意もなされた。
ところが、タスマニア林業公社はマレーシアのタ・アン社への原料供給向けに、タスマニアでの保護価値の高い森林やオールドグロス林の伐採を継続しており、当初の保護拡大合意への障害となっているとの指摘もある。タスマニアで生産された単板は、マレーシアで合板となり、大半が日本の床材などの建材として輸出されている。詳しくは、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)の関連ページを参照ください。
「ガンズ20」への訴訟は勝利で終焉 Victory!
環境保護活動に対してガンズ社によって5年前に提起された3団体17名(ガンズ20)に対する裁判が、最終的にガンズ社が訴訟を止めて完全に終了しました。昨年の3月には、ボブ・ブラウン氏やウィルダネス・ソサイエティなど多くの被告への訴訟を取り下げたガンズ社でしたが、3名と1団体については訴訟を継続していました。その裁判が2010年2月2日に迫っていましたが、1月29日に突如、ガンズ社が和解金を払い、提訴を取り下げました。結局、被告であった「ガンズ20」の勝利に終わりました。豪州緑の党の代表者、ボブ・ブラウン上院議員は「要するに会社の完敗」とコメント。また、筆頭被告人のアダム・バーリング氏は「(タスマニアの)森林保護運動史の中で最も素晴らしい瞬間のひとつ」と喜びの声明を寄せつつ、大企業が市民の言論活動封殺を狙った問題の深刻さに触れ、和解金では、訴訟が過去5年間にもたらした「痛みと怒りを埋め合わせることはない」と語った。
"Gunns abandons legal chase" (1月30日 ABC)
ガンズ社によるプレスリリース(1月29日)
緑の党のコメント(1月29日)
ガンズ20からのプレスリリース(1月29日)
タスマニア州政府がFSC取得をガンズ社とタスマニア林業公社に要請
タスマニア州政府として、タスマニア林業公社とガンズ社がFSC認証を導入することを求めた(1月25日)。2009年1月下旬、タスマニア州の一次産業・水資源大臣が来日し、ガンズ社のパルプ材を購入している日本の製紙企業との会合を行い、タスマニア林業公社(FT)と、ガンズ社に対してFSC取得を求めていることを日本側に伝えたことを、帰国後に明らかにした。すでにガンズ社とFTはFSCオーストラリアとの連絡を取っており、バートレット州知事も一次産業・水資源大臣の要請を歓迎すると報道されている。
Japanese reassured over Tasmania's woodchip industry(1月25日ABC News)Forestry 'open to scrutiny'(1月27日 The Mercury)
Tasmanian Government Supports FSC Certification(1月27日FSCAustralia)
2008年5月の製紙会社との会合議事録ようやく完成(2009年3月)
2008年5月に行った製紙会社(日本製紙、王子製紙)との会合の議事録が、ようやく完成したので、公表します。NGO側が作成した議論の要旨と、製紙会社側が作成した議事録がありますので、ご確認ください。双方ともに両者で確認した内容となっています。製紙会社の要請により、会合には豪州政府、タスマニア州政府が参加することとなった。彼らも、これらファイルの議事内容を確認、合意しているとのことです。2009年2月に第二回の会合を要請しましたが、実現できず、今後も会合開催を求めていきます。
タスマニアのオールドグロス林は日本へ:Oldgrowth for export ~豪州環境NGOレポート発表
2008年12月12日 豪州最大の環境NGOであるウィルダネス・ソサイエティと、保護活動を行うNGOのStill Wild Still Threatenedは、タスマニアで伐採、チップ化された高木の天然ユーカリのオールドグロス林や保護価値の高い森林が、日本向けに輸出されていることを示すレポート(英文)を発表した。レポートによれば、高木ユーカリ林の原生林の78%がすでに失われたか、あるいは、伐採の脅威にさらされている。地域森林協定の下で認められた公有地のオールドグロス林の大部分がガンズ社によって木材チップとして輸出されている。少なくとも、成熟林やオールドグロス林の木材チップのかなりの量(最低でも20%以上)が日本へ輸出されている。
森林保護の非暴力抵抗活動に対する襲撃事件発生
世界遺産の価値を有する可能性があるとIUCN(国際自然保護連合)が指摘している世界遺産の隣接地であるアッパーフロレンタインで森林保護のために非暴力抵抗活動を行っている若者に対して、伐採下請け業者による暴力事件発生。その状況が映像に収められ、インターネット上で配信されており(映像が見にくい場合は、こちらで・・)、地元紙でも報道されている。事件発生時に、タスマニア林業職員も立ち会っていたにもかかわらず、立ち会っていないと嘘をついていたことも報じられている。さらに、その後、抵抗活動の車への焼打ちが行われたとのことで、不明瞭ながら、その映像も公開されている。こうした状況について、10月25日に「TAS森林伐採反対グループ襲撃される」との翻訳記事も掲載されている。
世界遺産に隣接する森林での伐採凍結要請決議
タスマニアには、すでにタスマニア原生地域という世界遺産地域がありますが、カナダ・ケベックシティで行われていた2008年の世界遺産委員会で、この世界遺産の拡大検討を求める決議が行われました。その決議では、国際自然保護連合(IUCN)の助言に従って、豪州政府が現在の世界遺産地域に隣接している巨木のユーカリ林地域を含めた形での拡大を検討するよう要請する決議が行われました。そのIUCNの助言においては、世界遺産の隣接地域(ウェルド、スティックス、アッパーフロレンタインなど)での伐採の凍結(モラトリアム)を求めています。
この決議は、2007年の世界遺産委員会でのNGOからの批判に対して、豪州政府が問題なしと口頭で反論したために、今年3月にIUCNを含めた世界遺産委員会から代表団が現状視察を行い、その結果を受けて、世界遺産委員会として行われたものです。今回の決定には、豪州政府を含めて異議は出なかったと報告されています。IUCNから顕著な普遍的価値(OUV)の可能性があるとされた地域の中には、ガンズ社の主要な木材供給地となっているタスマニア林業公社の伐採計画地が存在しており、その伐採凍結をIUCNが提案した形になっています。ガンズ社の木材チップの95%は日本向け(2006年)となっています。
エコ偽装問題で、記者会見を行いました。1月23日
古紙配合率偽装のみならず、フレッシュパルプにおけるエコ偽装疑惑(タスマニアの原生林チップ混入)について、古紙問題市民行動ネットワーク、日本消費者連盟、熱帯林行動ネットワーク、ナマケモノ倶楽部とともに、グリーン購入法の改定見直しを求め、環境大臣への要請を行い、記者会見を行いました。
共同プレスリリースをご覧ください。
毎日新聞に掲載されました。
古紙問題については、古紙ネットさんや、安井さんのページがオススメ!
豪州NGOによるDVD映像もYouTubeでご覧ください。
タスマニア林業公社のレポートへのRANの返答
2007年9月23日に行われたNGOとタスマニア林業公社の前社長のイバン・ローリー氏との会合で入手した資料(Stewards of the forest)にはRANのレポートについての反論(p5, p6, p7, p8)が記されていました。そこで、RANでは、この反論に対する返答を作成しました。彼らの反論・批判のほとんどが、的外れなものであったり、あるものは全くの嘘であったりするなど、誤った主張となっています。ご覧ください(図表と翻訳などに誤りが見つかりましたので、訂正版を掲載しました。)。タスマニア林業公社は、ガンズ社への原生林木材の主要供給者です。英語はこちらです。
ただ、RANのレポートの25頁の写真についての指摘については、タスマニア林業公社に感謝したいと思います。報告書のこの写真は鉱物採掘による森林破壊であり、林業伐採によるものではありませんでした。よって、誤ってこの写真を選ぶという過ちに気づけなかったことは、非常に遺憾で、読者に対し、この誤りについてお詫びします。他のすべての写真は、タスマニアの破壊的な林業活動に関連するものです。
【冊子発売】 セヴァン・スズキの私にできること ー 森のつくりかた守りかた
リオ・サミットで、伝説のスピーチを行ったセヴァン・スズキさんの新刊に、タスマニアの森林伐採問題を書かせていただきました。是非、お読みください。セヴァン・スズキさんの伝説のスピーチ(翻訳付)はこちらで見れます。発行は、ゆっくり堂さんです。監修:辻 信一、編集・企画:ナマケモノ倶楽部・ゆっくり堂 300円
RANの報告書が真実を明かす
RANの報告書『誰がタスマニアの森を切っているの?買っているの?タスマニア森林破壊と日本紙業界の隠された真実~ランキングレポート』は、豪州巨大木材企業、ガンズ社の悪質な伐採事業が、日本製紙や王子製紙のような日本の主要製紙企業によって、いかに支えられているのかを詳細に報告しています。これらの企業はタスマニアの原生林や保護価値の高い森林からの木材チップを大量に購入しています。
日本製紙に伝えよう!タスマニア原生林購入を止めて。
日本製紙はガンズ社の天然林木材チップの最大の購入者です。そのために、ガンズ社によるタスマニアの太古の森の破壊の最大の支援者となっています。もしも、この企業が、原生林混入木材チップを購入するのを停止すれば、タスマニアの原生林と保護価値の高い森林が将来も生き残っていくための大きな一歩となります。ガンズ社からの原生林チップ購入を止めるように、日本製紙に伝えよう。
■その他の関連情報
●グリーンTVジャパンの「ピープル」のコーナーで、6月のフォーラムで来日されたタスマニア大学のピータ・マクィラン博士と、タスマニア州議会議員ペグ・パットさんのインタビューが、タスマニアの映像とともに放送中です。ご覧ください。
●タスマニアの伐採状況を、その目で、空から見てみよう。豪州の環境NGOのサイトで、伐採状況が見れます。Google Earthの無料ソフトをインストールすれば、簡単に見られます。このサイトですが、このTasmanian logging coupesから、直接見れます。◎が、伐採地・伐採予定地で、カラーの線で囲まれています。近寄って見ると茶色になった皆伐地も見れます。ガンズ社のチップ工場はこちら→Gunns' woodchip mills。
●6月上旬に東京で開催された公開フォーラムの模様が、JANJANの記事になっております。ご覧ください。
●ガンズ社の最大の木材チップ供給源である州有林(タスマニア林業公社が管理)で行われていた違法伐採事例についての豪州上院議会でのウィリアム・マニング氏による内部告発証言議事録(英語原文)2003年10月
●オランダNGO(グリーンピース・オランダ、FOEオランダ、WWFオランダ、IUCNオランダ委員会)による報告書『合法的森林破壊(Legal Forest Destruction)~合法性と持続可能性のギャップ』で、タスマニア森林伐採問題が取り上げられています。(2006年2月)
オーストラリア林業規格(AFS:AS4708(int)-2003)の問題点
Australian Forestry Standard(AFS)は、原生林や絶滅危惧種の生息地などの保護価値の高い森林の皆伐、植林地や森林以外の用途への転換も可能なもので、持続可能な森林経営を認証するものとはいえません。以下に示したウィランタ判決で絶滅危惧種に重大な影響を与えているために、違法と判断された伐採事業で得られた木材も、AFSとして認証されていました。現地、豪州の環境NGOはもちろん、多くの国際NGOがAFSを持続可能な森林認証制度として認めていません。
ところが、なんと、イギリス政府の諮問機関CPETは、AFSを含む問題のある認証制度を、昨年末、「持続可能性」があると評価し、環境NGOから批判を浴びている。以下は、関連記事。
共同声明:イギリス政府が自らの木材調達方針に逆行する判断 森林破壊を「持続可能」として、調達方針で受容 2006年12月20日
WWFなど環境NGO4団体 イギリス政府は森林管理の現場を精査せよ!2007年3月9日
タスマニア絶滅危惧種保護を巡るワイランタ裁判での逆転敗訴の意味
2006年末に行われた画期的判決は、覆され、2008年5月末以降、絶滅危惧種の生息地が合法的に伐採可能になってしまった。関連記事:フェアーウッド・メールマガジン31号
タスマニアのワイランタ(Wielangta)の州有林での伐採を違法とした連邦裁判所の2006年12月19日の第一審判決を不服としたタスマニア林業公社は、上訴を行い、2007年11月30日、連邦裁判所の3名の裁判官により第二審の判決が出た。結果は一審での決定を覆す逆転敗訴で、タスマニア林業公社のワイランタでの林業業務は地域森林協定(RFA)に合致していると判断、従って環境保護と生物多様性保全法(1999)(EPBC:ENVIRONMENT PROTECTION AND BIODIVERSITY CONSERVATION ACT)からの適用除外となり、伐採禁止措置は撤回となった。原告のボブ・ブラウン上院議員は最高裁に上訴を試みたが、2008年5月23日、この訴えは2対1で棄却、ワイランタでの伐採が可能となってしまった。
しかし、こうした判断は、タスマニア林業公社の事業が絶滅危惧種に重大な影響を与えていないことを意味するものではない。むしろ、この判決が意味するのは、たとえ絶滅危惧種に重大な影響を与えていたとしても、豪州の法体系においては、現行の林業はRFAの規定に沿ったものと解釈され、EPBC法違反には問われないとの判断が下されたということである。絶滅危惧種への重大な影響を与え保護が十分になされていない場合も合法である、と判断してしまったということになる。実際、第二審では、当該地域に生息する絶滅危惧種のオナガイヌワシ、オトメインコ、広歯クワガタが保護されているのかどうかについての検討は行われず、論点ともならなかった。詳細は、上記、フェアーウッド・メールマガジン 31号(2008年10月)を参照。
絶滅危惧種(生物多様性)の保護されず、伐採事業禁止判決
2006年末、オーストラリア連邦裁判所で、絶滅危惧種が保護されていないとして、ウィーランタ州有林での伐採事業に差し止め判決。 関連記事:フェアウッドマガジン22号
タスマニアのウィーランタ(Wielangta)地域の州有林での伐採が絶滅危惧種に関して重大な影響を与えているとして、環境保護・生物多様性保全法(EPBC1999)475条に基づく違法行為に対する差し止め命令を求めた裁判について、2006年12月19日、連邦裁判所が判決を下しました。
判決では、絶滅危惧種に対する保護を行えていないことから、ウィーランタでのタスマニア林業公社の伐採業務は、地域森林協定(RFA)に従っておらず、そのために、EPBCの適用除外は認められず、EPBC違反と判断されました。ただ、この判決理由に基づけば、「ウィーランタ地域のみならず、希少種や絶滅危惧種の生息地が破壊されているオーストラリアの他の全ての地域での伐採が違法となる」(原告ボブ・ブラウン上院議員のウェブサイトより)と指摘されています。この判決がウィーランタ地域だけに留まらず、州全体に対して大きな影響を持つという点においては、原告側だけではなく、タスマニア州知事も同様の認識を示しています。ABCの報道記事で、レノン知事は、「オナガイヌワシを見てみよう。そうした状況がウィーランタにあるのであれば、それは、タスマニア中の多くの地域にも存在しているだろう」と述べています。
今回対象となった絶滅危惧種は、オトメインコ(swift parrot)、オナガイヌワシ(wedge-tailed eagle)、広歯クワガタ(broad-toothed stag beetle)の3種ですが、特に、オナガイヌワシについては、タスマニア全域に生息することから、多くの地域での伐採が違法とも考えら得る状況にあるのです。さらに、これら3種以外にも、タスマニア・デビル、オオフクロネコなどEPBC登録種が林業業務から重大な影響を受けている可能性もあります。
判決で、「地域森林協定(RFA)に従って林業業務が行われることを前提とすれば、タスマニア林業公社は、EPBCの38条、RFAの6条(4)の恩恵によって、EPBCの第3部、第9部は適用除外となる(パラグラフ213)」と判断する一方で、「ウィーランタ地域での林業業務は、68条に照らして、RFAに従って行われていない。将来においても、RFAに従って行われるであろうとは考えられない。結果として、タスマニア林業公社のウィーランタでの林業業務が、EPBCの38条によって、同法第3部の条項から適用除外とはならない。同様のことが、RFA法の6条(4)に関しても適用される。」(パラグラフ293)との判断を示しました。EPBC第3部と第9部は罰則規定を含むEPBCの中核部です。そして、この1997年タスマニアRFA68条とは、「当州は、付属書2(パートA)にリストアップされた優先種を、CAR保護システムか、関連する管理措置を利用することによって、保護することに合意する。」で、この優先種には絶滅危惧種を含んでいます。つまり、上述のように、絶滅危惧種に対する保護を行っていないことから、ウィーランタでのタスマニア林業公社の伐採業務は、RFAに従っておらず、RFA違反となり、EPBCの適用除外とはならず、EPBC違反と判断されたのです。
詳細は、判決文を参照。
裁判所がタスマニアの伐採会社の業務禁止を命令
(オーストラリア放送 2006年12月20日報道記事 日本語訳)
森林に関する判決、絶滅危惧種を保護
(シドニー・ヘラルド・トリビューン 2006年12月20日報道記事)
レノン知事、判決に警告(マーキュリー 2006年12月20日 PHILIPPA DUNCAN報道記事 日本語訳)
タスマニアの素晴らしい森を守る!
オーストラリアの一州であるタスマニア島は、世界で最も古く、固有のユーカリ原生林・老生林が生息する本拠地の一部です。同時に、ここは伐採会社ガンズ゙社 (Gunns Ltd)の本拠地でもあります。
対象地の樹木を全て伐採する大規模な皆伐、広範囲にわたる焼夷弾や、毒物の散布によ り、世界的に貴重な原生林や老生林(オールド・グロース・フォレスト)の森林生態系が破壊されています。この現実を世界に広く伝え、消費者に知らせて、持 続可能性と環境的責任を採用した森林施業へと転換するようにガンズ社に告げるために、私たちは皆さんの力を必要としています。持続可能な事業というのは 21世紀に成功するすべてのビジネスの鍵なのですから。



